急須の種類

急須は本体に取手と注ぎ口、そして蓋が付いた器で、茶葉とお湯を入れてお茶を注ぐ道具です。古くは前漢から茶を楽しむ文化が始まり、急須自体は宋の時代に発明されたと言われています。急須は用品でありながら、骨董的価値の高い作品もある奥深い品です。その様々な種類を今回はご紹介したいと思います。

基本の形は横手型、後手型、上手型、宝瓶の4タイプです。横手型は日本では伝統的な急須で柄を片手で持ち、親指で蓋をおさえて注ぐことができる日常用の急須です。後手型は注ぎ口の反対側に持ち手が付いた、言わばポット型の急須のため、紅茶や中国茶にも最適です。上手型は急須の上部に持ち手が付き、その持ち手は本体とは別の竹などの素材で作られているので、熱いお湯を入れるほうじ茶や番茶に適しています。宝瓶は持ち手が無い急須の総称です。玉露などの高級茶葉を低温で入れるのに適しています。素材では炻器製が多く、陶器と磁器の中間の素材とされています。有名なものには朱泥を使用した常滑焼や紫泥を使用した萬古焼などがあります。常滑焼と言えば朱色が印象的ですが、これは使用する土が鉄分豊富で、酸化焼成により朱色に変化するからです。酸化鉄が豊富に含まれているため、お茶のタンニンと鉄分が反応し、お茶の味もまろやかになります。萬古焼も鉄分を多く含む土から作られますが、こちらは還元焼成により紫褐色に変化します。こちらもお茶のタンニンが鉄分と反応し渋みが和らぎ、うまみが引き立ちます。

急須は骨董や作家物になると販売相場も高くなります。作家物かどうかの判断は共箱の有無、共箱の墨書き、急須への陶印で判断されます。また急須の中でも中国宜興市の朱泥急須は最高級品として人気が高く、高価買取となることが多いです。また贅沢品として制作された金や銀を素材とした急須も買取価格は高くなります。知識の無い方が急須の買取相場等を判断することは難しい為、お持ちの急須の価値をお知りになりたい場合は、専門家への査定依頼がおすすめです。